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このページは、MMORPG「コンチェルトゲートフォルテ」の新章「ローゼンベルク学園と7つの世界」を舞台にした二次創作サイトです。
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第4話 ωぽん、応答せよ! -前篇-

王立ローゼンベルク学園。

それは、来るべき大災厄に備えてファーレン王国が設立した研究機関にして教育機関。


・・・・・・。


それは、もうわかったからいい?


・・・・・・。


ごもっとも!
それでは軽く前回のおさらいを・・・・・・。


現生徒会長が突然行方不明になったため、突然空席になった会長の椅子。
臨時会長選挙の噂の中、いち早く動き出したのは「くろねこ5」率いる『体育会』だった。
彼らは「学園の何でも屋」ヒヨコ隊に選挙の支援を依頼するが、腹に一物ある慧さまは、すげなく断った。
収まらない彼らの要望で、敗者が勝者の願いを聞く権利を賭けたDUをすることに・・・・・・。
ヒヨコの代表として指名されたのは、なんと、たまたま居合わせた記憶喪失の男(実力は未知数)。
それを「予想通り」と言いきった慧さまは、対戦相手として誰を指名するのか・・・・・・。




決着は60秒後!




「それじゃあ、私が指名するのは・・・・・・」
並んだ5人に指を滑らせ、

「あなたっに決めたっ!」

慧さまはフィーアを指差すとニコッと笑みを浮かべた。


くろねこ5からは、驚きと安堵感と落胆、その他の入り混じった声が上がった。

「ご指名はありがたいけど・・・」
いつの間にかフルーレを手にしたフィーアが前に出た。

「本当に僕でいいのかな?」

「いいわけないじゃろぉぉぉおおおおお!!」
叫ぶ男を押しのけ、慧さまが前に出る。

「やっぱりどうせ見るなら、華麗なる剣さばきがいいわよねぇ~~」
そういってウインクすると、

「ふっ、ものの価値のわかったお嬢様(マドモアゼル)だ」
上機嫌のフィーアが手にしたフルーレを空で2、3度振ると、舞い散る落ち葉に「Z」の文字が刻まれていた。

「準備が出来たらいつでもどうぞ」気障に一礼したフィーアはDUフィールドに姿を消した。


「どどどどどど・・・・・」

「『どうするのか』って?」

(コクコク)

「それじゃあ、作戦を授けるわね」

「お、おうっ、難しいことは出来ないからな・・・」

「わかってるわよ、いい・・・?」
男がうなづくと慧さまは続けた。

「最初の1分間は正眼に構えてこちらからは絶対に仕掛けないこと。相手も当然様子を見てくるから、ここはお見合いになるわ。仕掛けるのは1分後よ。とにかくがむしゃらに突っ込んでかく乱して!向こうも実力を測りかねて、積極的に打ってはこないはず。そして1分たったら、こちらの実力もバレるから攻撃に転じてくるわ。そうしたら、とにかくフィールド内を逃げ回ること。1分間逃げ切れれば勝機はあるわ!!わかった?」

「・・・最初の1分は構えだけ、次の1分で攻撃、そして次の1分間はひたすら逃げる・・・本当にそれでええんか?」

「うん!」

「頑張ってくださいね!」
胸の前で手を組んで目を潤ませた斎(いつき)が見上げる。

「俺たちの命運はお主にかかっている・・・よろしく頼む」
パシッと肩を叩いて激励する左之助。

「まあ、心配しなくても上手くいくって・・・」
慧さまはそういうと剣を手渡した。

「そんな上手くいくんかいの・・・」
使ったことのない剣を手に逡巡していた男だが、しぶしぶDUフィールド中に入った。





DUフィールドは、擬似戦闘のための仮想空間で、外界とは位相的に切り離されている。
出入りは自由だが、勝利条件が達成されると自動的に解除される。今回の場合は、2名のうち、いずれかが外に出るか、外部から誰かが入ろうとすると強制的に終了になる。
戦闘の効果は、オリジナルの空間に影響を及ぼすことはない。例えていうならテレビの中で行われているようなものなのだ。
テレビと違うのは、音声だけは双方向で伝わること。外界からフィールド内の戦士に声援やアドバイスを送ることも可能だ。
騎士道精神に反するとして、実際に行われることは殆どないが・・・・・・。

"Etes-vous Prêts?" (それじゃあ、開始しますが?)

合成音が試合開始を告げる。

"Oui" (いつでもどうぞ)
フィーアは作法通り、スタートラインに右前足爪先をつけて構えた。

「・・・お、おう・・・」

"Allez!" (初めっ!)

運命を賭けた一戦が始まった。


男は慧さまの指示通り、剣を両手で握り正眼に構えた。

「へぇ~~構えだけは様になっているわね」

「うむっ・・・」
左之助もうなづく。

睨みあいながらも間合いを詰めようとするフィーア。
そうはさせじと、フィーアが間合いを詰めようとするとすっと後退し距離を置く男。
一進一退の駆け引きが続いていた。

「ここまでは上出来だけど・・・次でどうくるか・・・」
慧さまは指先を噛んだ。


"Une minute progrès" (1分経過)
合成音が時間経過を告げる。

「でゃぁぁああああああ!」
慧さまの指示通り男が攻撃に転じた。大きなモーションで剣を振り回す。
脚裁きも太刀筋も滅茶苦茶だが勢いだけはあるので、さすがのフィーアももてあましているようだ。


しかし・・・。

慧さまの予想よりも男の体力ははるか劣っていた。
時間の半分も待たずに既に息が上がってきている。

「ふっ・・・舐められたものだな、やっぱり素人だった・・・」
ひゅんと振って、突進をいなすと、

「そろそろ、こちらからいくよっ!」
フィーアはフルーレを構えなおした。

ジャブのように繰り出される軽い突きに、男の足もとは覚束無くなってきた。

「あと1分半か・・・うーん、まずいわね・・・・・・」
腕組みしていた慧さまは、

「はしたないからこの手は使いたくなかったんだけど・・・」
そうつぶやくと、すぅーっと息を吸い込んでから叫んだ。


「あ~~~っ、あそこにツインテールでニーソを履いた巨乳で天然でツンデレな妹がっ!」

「!!」

「えっ?」

「うおっ」

「ど、どこじゃっ?」
周りにいたくろねこたち、斎、左之助、そして中にいた男までも一斉に振り向いたが、フィーアだけはぴくりとも動かない。

「う~ん、やっぱりだめか・・・・・・今度は斎ちゃん!お願いっ!!」

「ええっ~~、急に言われても・・・」
わたわたする斎に、

「いつものでいいよ、ほらっ、斎ちゃんの好きな・・・」

「わかりましたっ!」
斎は、にぱっと笑みを浮かべ、

「あ~~~っ、あんなところにナイスミドルと美少年のカップルが熱い抱擁を・・・」

「ぐあっ」
男は目に見えぬダメージを負ったようだが、フィーアは身じろぎもしない。


いや・・・。
よく見るとフィーアもわなわなと震えていた。

「戯言もそれくらいにしてもらおうか・・・」
どうやら、怒りが頂点に近くなってきたようだ。

「神聖な勝負を愚弄するのは許さない!」

これまでと構えを変えた。

「まずい・・・あと少しなんだけど・・・」
慧さまが爪を噛む。

フィーアは十字を切って、

"Dieu, donne le baiser de la bénédiction à un pauvre agneau" (主よ、哀れな子羊に祝福を与え給え)
と、祈りを口にすると、

「いくぞっ!!」
男に向かって剣を振り上げた。




その時・・・。

「あらあら、こんな時間にどうしたのかしら?暗くなってからのデュエルは危ないわよ?」
場違いなくらい落ち着いた声が聞こえた。

「あっ!」

「驚」

「な、なんでっ!」

「あ、あなたは・・・」

明らかに動揺するくろねこたち。


そして、その声の主を確認した慧さまは小躍りした。

「きたーーーーー!!この勝負、頂き!」



ここから、みんなが見たのものを追って説明しよう。

まず最初に見たのもは、DUフィールドから飛び出した黒い砲弾が、声の主めがけ飛んで行く光景。


それから、声の主に抱きとめられた砲弾が、

「うにゃーん、Yukariko~~~」

と甘い声を出しながら胸に頬ずりする姿。


そして最後に、胸に跳びこんできた黒猫を抱いたまま困惑しているYukarikoの姿。


「うちらの勝ちね」
慧さまは壁のように平らな胸をそらした。





一方、その頃のサークル棟。


「兄さま?兄さま・・・?」

生物部のΩωΩちゃんが、廊下を走っていく。
反対側からやってきた弟のオメガぽんに、

「兄さまはいた?」

「・・・2階より上にはいなかった・・・zzz」


「・・・これから、臨時集会が始まるというのに、兄さまはいったいどこへ・・・??」






いろいろな謎を残しつつ後篇に続く



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ふっ・・
ちじょうのあらゆるものにましゃるみりょくのゆかりこ・・ふっ、きみはほんとうにちゅみなひとだ…
フィーア URL 2011/03/04(Fri)18:07:48 EDIT | RES
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3月2日「第3話 くろねこの秘密-後篇-」をアップしました。

3月1日「第3話 くろねこの秘密-前篇-」をアップしました。



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ここでは語り部ですね^^
趣味:
読書、二次創作、落語鑑賞、妄想(笑)
自己紹介:
管理人兼作者です。

好きな作家:今野緒雪、樹川さとみ、支倉凍砂、神野オキナ等ライトノベル系作家が好きです。

好きなマンガ家:天野こずえ(ARIA、あまんちゅ)、石井まゆみ(キャリアこぎつねきんのまち)

コンチェルトゲートフォルテでは、Yukarikoというキャラ(マジシャン)をメインに使っています。

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